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新法下で中間省略登記可能か 住宅新報05/01/11

新しい不動産登記法の下では中間省略登記は不可能とする見解が現在のところ大勢を占めているようであるが、ここでは敢えてユーザーの立場に立って、反論を試みたいと思う。


新しい不動産登記法の下では中間省略登記は不可能とする見解が現在のところ大勢を占めているようであるが、ここでは敢えてユーザーの立場に立って、反論を試みたいと思う。

中間省略登記とは、不動産登記において、物権変動の過程のうち中間部分を省略してする登記をいう。最も典型的なものはA→B→Cと順次売買により所有権が移転した場合にA→Cという登記をするケースである。これが実務上行われる事が少なくないのは、移転登記の際に課税される登録免許税額が固定資産評価額の1%(売買の場合)という決して低廉とは言えない金額であるため、中間者がこの課税を回避(登記をしなければ納税義務は生じない。法律上の登記義務もない)したいという要請が強いからである(もちろん対抗要件の取得という不動産登記最大の効力を享受出来ないというリスクを承知の上で)。

権原調査を容易にするため物権変動の過程を如実に反映するという不動産登記法の理想に照らして、中間省略登記の有効性が問題とされたこともあったが、現在は中間省略で行われた登記が実体的権利状態と一致している以上有効であるとするのが確立した判例及び学説となっている。

では、新しい不動産登記法の下でもこれが認められるのであろうか。この結論はひとえに新しく制度化される「登記原因証明情報」の趣旨・射程をどのように解するかにかかってくると思われる。

すなわち、現行法のもとでも「登記原因を証する書面」、すなわち物権変動の原因となる法律事実の成立を証する書面の添付が要求されてはいるが、これは必須ではなく、従って実際の物権変動原因の過程を忠実に反映していない登記申請であっても、「登記原因を証する書面」を添付しなければそれは判明せず、事実上登記申請は受理されることになる。

例えば先の例で「登記原因を証する書面」の典型は、A→Bの売買契約書とB→Cの売買契約書であり、これらは決してA→Cという物権変動の原因となる法律事実(AC間の売買)を証するものではない(AC間の売買という事実は存しないのであるから当然だが)。つまり「登記原因を証する書面」を添付するとA→Cという登記は申請できないことになるが、現行不動産登記法ではこの添付は必須とはされていないため、これを添付せずにA→Cという登記を申請しているのが現在の「中間省略登記」というわけである。
ところが新しい不動産登記法では現行法の「登記原因を証する書面」と同様の趣旨の「登記原因証明情報」の提出が必須のものとされる。この場合「A→B」、「B→C」という売買を証する「登記原因証明情報」を添付することになるため、これと一致しないA→Cという登記申請は不可能だということになる。

考えられるのはA→Cという売買があった事にする「登記原因証明情報」を作成して提出するという方法であるが、これは実体関係と一致しない虚偽の記載をした書面(情報)であり、このような書面の添付による登記の申請は認められないとするのが法の建前からすれば当然のことであろう。
しかし、権原調査のための物権変動過程の如実な表示という点はともかくも、登記申請の真実性の担保という趣旨から考えると、当事者が了解して登記申請のためだけに作成した「情報」に基づいて登記を行ったとしても、それによって虚偽の登記(現在の実体関係と一致しない登記)を現出せしめる危険が増大するとは考えにくいのではないだろうか。

現行法でも原因はともかく、登記申請意思に虚偽はないため中間省略登記の申請は受け付けられているが、これも実体とは別に登記申請のためだけに当事者が合意して作成した書面(登記申請書)に基づくものである。
もちろん中間省略登記を推奨する訳ではないが、要は権原調査を容易にするために物権変動過程を如実に反映させるという要請の下に、敢えてリスクを冒して自己名義への登記をしない者に対し登記を強制することがはたして妥当かと問われると、疑問を禁じえないのである。

もっとも登録免許税額が軽減されれば、中間省略登記を望む者は大幅に減少するとおもわれるが。

(住宅新報05/01/11掲載)

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