実録不動産トラブル#8 −危ない取引は法務局で決済するのが安全?〜時代は変わっている〜

「危ない取引」についてはこのニュースでもシリーズで取り上げてきたが(下部バックナンバー参照)今回取り上げるのは相手方が信用できない、つまり不正な行動を行う可能性がある場合である。

不正な行動の例としては、売り主が別の第三者に二重に譲渡する、売却した不動産を担保に入れて融資を受ける等があるが、これらの場合に第二の買主や融資元に登記(移転登記、担保設定登記)されてしまうと原則として買主は権利を失う(又は不完全な権利しか取得できない)事になる(訴訟しても勝てない)。

つまり売買代金を支払った上、物件を取得できない(取得した物件が担保付=無価値)という事になるのである。

20150915_01.jpgこういった事態を防止するために、かつては登記所(法務局)で決済を行うという方法が良く行われた。


つまり、決済・登記申請ギリギリまで登記簿を閲覧して(登記簿のバインダーを占拠して)他の登記が入れられていない事を確認した上で決済をする(登記を申請する)という方法である。

しかし現在は登記簿の閲覧も登記申請もオンライン(インターネット)で出来る様になっている。

そのため危険防止の方法も、それらの方法を用いた方がより安全な決済を行える様になっているのである。

即ち、ネット環境の整った場所(複数のコンピューターが法務局にアクセスできる状況にある場所)、例えば司法書士事務所で、決済・登記申請の直前にネットで登記情報を取得し、直後にオンラインで登記申請をする(即時に登記は受け付けられる)というものである。

仮に現在法務局で決済をするとなると、(現行制度では登記簿の閲覧は出来なくなっているため)登記事項要約書を取得して確認してから即座に登記申請書を窓口に提出するという流れになるが、ネットでの登記情報取得とオンライン申請の方法の方が時間的間隙は少なく、安全であると言えるのである。



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