「新・中間省略登記」入門 〜最先端の不動産節税手法の初歩〜

ポイント!  
A→Cに直接所有権が移転。  
Bの登録免許税・不動産取得税がゼロに。

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「中間省略登記」と同様の節税が可能となる「新・中間省略登記」は実績のあるフクダリーガルにお任せください。契約書の作成から登記まで、トータルでサポートいたします。

 

中間省略登記の目的を達するための新しい手法である「新・中間省略登記」が内閣総理大臣の諮問機関である規制改革・民間解放推進会議の最終答申(2006年12月)によって公認され、それに従って法務省からも関連諸団体に対してその旨が通知(2007年1月)されてから間もなく10年が経過しようとしている。その間この答申に関与した福田龍介(弊司法書士法人代表)が「新・中間省略登記が図解でわかる本」(住宅新報社・2010年第1刷、2015年第6刷)を発刊する等この手法の普及に努めて来たが、不動産・金融業界の関係者の中には未だにこの手法について十分な理解をされていない方も少なくない。そんな方々には是非この「超・入門」を読んで頂きたいと思う。

Q1.「中間省略登記」とは何か。

A. 「中間省略登記」とは、節税の一手段である。
登記をしない(登記による保護を受けない)ことで、登記にかかる税金を節約しようというものだ。
例えば、A→B→Cと所有権が移転しているケースで、Bへの所有権移転登記を省略し、A→Cへ直接登記を行う事である。
元来中間省略登記の申請は受付けられない。物権変動(所有権移転等)の過程(この場合はA→B→Cと順次所有権が移転)を忠実に登記に反映させるという「不動産登記制度の原則」に反するという理由からだ。
しかし、所有権を取得した者に登記法上の登記義務はなく、またいったんなされた中間省略登記の有効性は認められており(最高裁判例)、さらに登記のシステム上中間省略登記であることが登記申請時には判明しない仕組みになっていたため、事実上中間省略登記は行われて来た。
ところが、不動産登記法の改正(2005年3月施行)による登記申請手続の変更で、登記申請時に中間省略登記である事が判明せざるを得ないことになり、中間省略登記は事実上不可能になった。
当然、実務界からは中間省略登記の許容を求める声が上がって来ることになった。

 

Q2.では、「新・中間省略登記」により「中間省略登記」ができるようになったのか?

A. 「中間省略登記」ができるようになったわけではなく、それと同様の経済的効果をもたらす手法(第三者のためにする契約を用いた売買契約)という方法が公認されたという事だ。
それは、これまでA→B→Cとされていた物権変動(所有権移転)について、Bへの所有権移転を省略(中間省略)してAからCに直接所有権が移転するとすることにより、「不動産登記法の理想」に沿ったものとするというものだ。
これにより中間者Bへの移転登記の登録免許税はもちろん、不動産の「取得」がない以上Bの不動産取得税も発生しない。

 

Q3.「新・中間省略登記」はどうやって行うのか。

A. A−B、B−Cそれぞれの売買契約に次のような特約を付ける。


売買契約 I (AはBに物件を売渡し、BはAに代金を支払う。)
1. 所有権はAからC(Cは特定していなくて良い=Bの指定する第三者)に直接移転する
  (第三者のためにする契約)。
2. 売買代金完済後もCに所有権が移転していない場合、所有権はAに留保される。
3. Aは受益の意思表示の受領をBに委託する
4. AはBの所有権移転債務の履行を引き受ける(履行の引受け)。

売買契約 II ( BはCにA所有の物件を売り渡し、CはBに代金を支払う=他人物売買)。
1. Bが負う所有権移転義務はAが履行する(第三者の弁済)。これにより所有権はAからCに直接移転する。

Q4.「第三者のためにする契約」とは。

A. 契約当事者の一方(A)が第三者(受益者)(C)に対して直接契約に基づく債務の履行をすることを契約の相手方(B)に約束する契約のことである(民法537条〜539条)。
この場合契約当事者でないCはこの履行を受けるかどうかの選択権を有するが、これを受ける場合(「受益の意思表示」をします)Cは直接Aに履行の請求ができる。
日常的に馴染みのある例として、生命保険契約(Aが保険会社、Bが被保険者、Cが保険金受取人)がある。
「新・中間省略登記」ではAB間の売買契約で、Aは所有権移転債務を直接Cに対して履行するという事をBに約束する。これはまさしくこの「第三者のためにする契約」にほかならない。

Q5.他人物売買とは何か。

A. 自分のものでない財産権を対象とした売買契約のことである。
他人の物を勝手に売ってしまう契約だが、民法では有効とされている(同法560条)。売主はその権利を取得して買主に移転する義務を負う。
「新・中間省略登記」でもBは自己の所有でない(Aの所有する)ものをCに売却する契約を結ぶから、他人物売買である。

 

Q6.「履行の引受け」とは何か。

A. 債務者でない第三者が債務者に代わって弁済(第三者の弁済)することを債務者との間で約束することである。
代替性のある債務は原則として第三者が弁済することができる(民法474条)。
「新・中間省略登記」では、Bの所有権移転義務をAが第三者として弁済することをBと約束する。これが履行の引受けだ。

 

Q7.その他にどんな疑問が出され、それに対してどんな回答が与えられているか
 

A. 以下のようなものがある。

1. 禁止されている「中間省略登記」を実現する「新・中間省略登記」は違法ではないのか。
 →適法である(そもそも「中間省略登記」が適法)
2. A−B−Cと順次売買されている場合でもA→Cという「新・中間省略登記」は使えるのか。
 →使える(売買契約と所有権移転は別経路)
3. 他人物売買の場合中間者は取得義務を負い、「中間省略」とならないのではないか。
 →なる(第三者弁済可能)
4. 他人物売買を含む「新・中間省略登記」は宅地建物取引業法違反ではないか。
 →違反ではない(例外規定に該当)
5. 「新・中間省略登記」では売買代金がガラス張りになるのではないか。
 →ならない(三者契約ではなく独立した二つの売買契約。「地位譲渡」との相違)
6. 「新・中間省略登記」では「中間省略登記」に比べてリスクが増大するのではないか。
 →リスクは増大しない(登記のみを留保するリスクと実質的な差異はない)

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